西海岸から広がる最新ファッション:LA発のメンズウェアブランド特集

流通|海外のトレンド商品リサーチ

アメリカ西海岸、特にロサンゼルスは、自由で実験的なファッションが生まれる地として世界中から注目を集めている。サーフカルチャーストリートウェアに根ざしたスタイルに加え、近年ではサステナビリティや個性を重視するトレンドが定着し、多様性を尊重するデザインが多くの支持を得ている。
本記事では、西海岸ファッションの最前線を牽引する注目のメンズウェアブランドを紹介する。

ロサンゼルス発のメンズブランド5選

●ジェームズ パース (James Perse)

写真引用:公式サイト

アメリカ西海岸を代表するメンズウェアブランドの中で、まず注目したいのが「ジェームズ パース (James Perse)」だ。このブランドは1994年にロサンゼルス出身のデザイナーが創立したブランドで「カジュアルラグジュアリー」という新しい概念を象徴しており、日常使いのアイテムながら、柔らかな米国製ジャージーコットンを使用した極上の着心地を提供している。
都会的でミニマルなデザインが特徴で、特にコーマコットンジャージーTシャツは洗練された大人のカジュアルウェアとして人気を集めている。新しいカリフォルニアカルチャーを発信しながら、日常使いできるハイクオリティなカジュアルウェアを提供している。
日本ではトゥモローランド公式オンラインストアで購入可能。

●フィア オブ ゴッド (Fear of God)

写真引用:公式サイト

次に挙げたいのは、ストリートとラグジュアリーを見事に融合させた「フィア オブ ゴッド (Fear of God)」。ジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)が立ち上げたロサンゼルス発のブランド、このブランドはオーバーサイズのシルエットやアースカラーを基調とした落ち着いたデザインで、ジェンダーレスなスタイルを提案している。スポーツウェアの快適さとラグジュアリーの洗練を兼ね備えたそのデザインは、若い世代から絶大な支持を得ている。
カニエ・ウェストも愛用することで注目され、生産数が少なく入手困難なレアブランドとして知られている。特に、手頃な価格帯のディフュージョンライン「ESSENTIALS(エッセンシャルズ)」は、ミニマルでコーディネートしやすいデザインが人気を集め、幅広い年代から支持されている。
日本ではWhy are you here?などで購入可能。

●バック メイソン (Buck Mason)

写真引用:公式サイト

クラシックで飽きのこないアメリカンスタイルを追求する「バック メイソン (Buck Mason)」も見逃せないブランドだ。日本製デニムやシンプルな無地Tシャツなど、ワークウェアやプレッピーな要素を取り入れたデザインが特徴で、長く使える高品質な素材が魅力。日常着としての実用性と洗練さを両立させている点が、多くのファッション愛好者に支持されている。
2013年にカリフォルニア州ベニスでサーシャ・コーエンとエリック・アレン・フォードによって設立され、地元産のジーンズとTシャツを販売する小さなガレージからスタートした。昔ながらの製造技術と現代のテクノロジーを組み合わせ、時代を超えて愛される定番アイテムを生み出し続けている。
公式インスタグラム

●ヌーン グーンズ (Noon Goons)

写真引用:公式サイト

また、サーフカルチャーとストリートウェアを見事に融合した「ヌーン グーンズ (Noon Goons)」は、西海岸ならではの自由でリラックスした雰囲気を反映したブランドだ。創業者カート・ナーモア(Kurt Narmore)のサーフカルチャーや80年代のハードコア、スケート文化への愛着を反映している。
そしてビーチを彷彿とさせる軽やかなグラフィックTシャツやオーバーサイズフランネルシャツ、また20世紀中盤のイーストロサンゼルスのカークラブからもインスパイアされており、”暇があれば波に乗りたいサーファー”向けのゆったりとしたコレクションを展開。カジュアルながらトレンドを意識したデザインで人気を集めている。
日本ではjkptストアなどで購入可能。

●リック オウエンス (Rick Owens)

写真引用:公式サイト

最後に紹介するのは、「リック オウエンス (Rick Owens)」だ。このブランドは、1997年にロサンゼルス出身のデザイナー、リック・オウエンスによって設立されたブランドである。ゴシック調のムードと未来的なデザインを融合させた個性的なスタイルが特徴。オーバーサイズのジャケットやユニークなシルエットのアウターは、ジェンダーフルイドな感覚を持つアイテムとして注目されており、個性を強調したいファッション愛好者に選ばれている。
2001年にニューヨークで初コレクションを発表、2002年にはアメリカ・デザイナーズアワードのペリーエリス賞を受賞した。リアーナやマドンナをはじめとする多くのセレブに支持され、レザージャケットやハイカットスニーカーなどのアイテムが定番となっている。
日本市場にも2009年に進出し、青山に旗艦店をオープン。家具コレクションにも取り組むなど、多様な分野でその独自の世界観を表現している。
日本では公式通販サイトなどで購入可能。

2025年、LAファッションの今

カリフォルニアの陽気でリラックスした雰囲気を色濃く反映したLAファッションは、Tシャツ、デニム、スニーカーといった定番アイテムからさらに深化を遂げ、近年ではサステナブルなファッションが新たな注目を集めている。その背景には、環境意識の高まりやライフスタイルの多様化があり、これらの要素をいち早く取り入れるのは西海岸の気風か。
こうした動きは新たなカジュアルファッションの定番として広がる可能性を秘めており、日本市場にも大きなインスピレーションを与えるだろう。これからの日常のスタイルにぜひ取り入れてみてはいかがだろうか。