各国のクリスマス事情(アメリカ編)人気1位はなんと‥

世界経済・マネー・社会課題

ハロウィンが過ぎ、街は一気にクリスマスムードに包まれた。イルミネーションやディスプレイが街角を彩り、企業も消費者も、慌ただしく年の瀬に向けた準備を進めている。
世界の経済、文化を発信する当サイトでは、3回に分けて各国のクリスマス事情をリサーチする。1回目の今回はアメリカ合衆国編。

アメリカ人のクリスマス予算と使途

全米小売業協会(NRF)が発表した最新の調査によると、アメリカ人の平均的なクリスマスシーズンの支出は902ドル(13万5千円)、そのうちプレゼントに支払う予算は641ドル(9万6千円)(参考:NRF)。これは2024年のアメリカ人の平均年収の1~2%に相当し、年々増加傾向だという。
やや高額に思えるかもしれないが、クリスマスを家族や親戚と盛大に祝う習慣が根強い北米では、贈り物やパーティーの準備など様々な費用がかかる。日本の正月とクリスマス予算を合算したものだと捉えるとイメージし易いかもしれない。

気になる使途について、アメリカ掲示板型ニュースサイト「reddid」にて、クリスマスのためにいくら貯金/支出しますか?というトピックを見つけることが出来たので一部を翻訳してみてみよう。※カッコの日本円は1ドル150円、1ポンド200円で換算。

●年収18万ドル(2,700万円)稼ぐというHelpMeDownFromHereさん

クリスマスには1,000~8,000ドル(15万~120万円)使います。母、姉、義理の兄、父には特にお金をかけます。豪華な手料理や高級な外食がたくさんありますし、家族で集まるときは、脱出ゲームや体験型のアクティビティなど、楽しいこともします。友達や職場の部下にも少しプレゼントを贈りますし、上司にも何か渡します。
それから、クリスマスの翌日にはいつも娘と一緒に約2週間の冬休み旅行に出かけます。昨年はパタゴニアに行き、今年はヨルダンとエルサレムに行く予定です。娘には父親がいないので、休日の時期には少し甘やかしています。私は18万ドル(2,700万円)稼いでいます。

●イギリスのmyfirstsfwaccountさん

クリスマスプレゼント用に毎月35ポンド(7千円)を貯金しているので、両親、兄弟、パートナーにプレゼントを買うのに420ポンド(8万4千円)を使えることになります。これも私の給料の約2%です。
私の友達グループはプレゼント交換をやめて、クリスマスの食事や集まりだけにすることにしました。というのも、無駄にお金を使っている気がしたからです。もしかしたら私は買い物に飽きてしまったのかもしれませんが、無理にお金を使う意味はないと思います。家族は必要なものはすべて持っているし、パートナーは物質的なものにこだわりがありません。

●叔父のパーティに備えるdollarpennyさん

私はクリスマス用に$1500(22万5千円)を積み立てています。主に両親、配偶者、姪、そして母方の親戚にプレゼントを贈ります。毎年クリスマスは叔父が主催しているので、他の大人たちには焼き菓子の詰め合わせを作ります。私は編み物や縫い物をしますが、フルタイムで働いているため、母の8月の誕生日プレゼントをようやく仕上げたところです。
私は市のバレエ団の会員で、『くるみ割り人形』のチケットを安く手に入れることができたので、その午後に彼の家族と私の両親を招待し、ケータリングを頼む予定です。

●贈り物が好きなN0peppersさん

私は他の人へのプレゼントを買うのが大好きなので、どれくらいお金を使っているかについてあまり心配しません。今年はおそらく、妹、母、父にはそれぞれ$300(4万5千円)くらい使うつもりです。妹の彼氏もクリスマスに来るので、彼には$75(1万1千円)くらい使う予定です。
夫の40歳の誕生日はクリスマスの数週間前なので、彼にはすでにかなりお金を使っているのですが、プレゼントにはおそらく$1500(22万5千円)くらい使う予定です。夫には大きなプレゼントを1つと、小さめのアイテムをいくつか贈ります。すでに小さなプレゼントのアイデアはあるんですが、ブランデンズのウイスキー、ニューアグのブーツ、カシミヤのセーターなど。私は年収$81,000(1,200万円)で、クリスマス前にボスから現金で約$3,000(45万円)もらいます。

●質素なクリスマスを送るsignedupforwsbさん

すごくケチに聞こえるかもしれませんが、子供がいないからかもしれません。私は通常、両親に数百ドル(数万円)くらいのプレゼントを贈ります。
私とパートナーはお互いにプレゼントを交換しません。私たちはどちらもプレゼントがあまり好きではないからです。また、クリスマスの旅行は混雑を避けるため、春や秋に行くようにしています。ですので、合計で1,000ドル(15万円)にも満たない金額です。家庭の年収は約50万ドルです。

●旅行を計画するZetaWMo4さん

ここ約10年ほど、私はクリスマスの予算を$5,000(75万円)に設定しています。各人にどれくらい使うかは、ほとんど科学的に計算して決めています。ただ、旅行が絡む場合を除いて、実際にその金額に達することはほとんどありません。今年は初めて予算を超えそうです。というのも、夫と私はクリスマスの前の週にニューヨーク市で過ごす予定なので、今年は約$8,000(120万円)を使うことになりそうです。これは私の収入の約4%にあたります。

書き込みがNRFの統計より高額なのは急速なインフレの影響か。または掲示板で多少の見栄が含まれているかもしれないし、クリスマスに関心が低い層がそもそも書き込みをしていない可能性もある。

いずれにしてもここに綴られているのは、家族と過ごすクリスマスに大量のプレゼントが飛び交う、まさに昔見たアメリカ映画の現実だ。クリスマスに向けて計画的に貯金をし、準備を整える彼らの熱量(あるいは努力)が浮かび上がる。

アメリカ人がリアルに欲しいもの。1位はなんと‥

次に、プレゼントの”受け手”としてアメリカ人が具体的に欲しいものを観察してみよう。
統計データ会社statista(ドイツ)では「アメリカで最も人気のあるクリスマスプレゼント」の記事中にて、プレゼントに関する男女別の消費者インサイトについてランキングしているのでご紹介する。

画像引用:statista

女性人気の7位はスマートフォン、タブレット、同7位に食べ物、お酒。6位書籍(eブックを含む)。5位はジュエリー、時計。4位にコスメ、香水、ボディケア製品。3位は洋服、靴。2位にギフトカードと続く。
男性人気の8位はジュエリー、時計。7位は家電。6位はコンピューター、コンピューターアクセサリ。5位に食べ物、お酒。4位にスマートフォン、タブレット。3位は洋服、靴。2位はギフトカード。

男女の共通点があるものの、女性側のニーズは美容関連製品が上位に並び、一方の男性側は、家電やコンピューター関連製品(ゲームソフトなどを含むか)に関心が高いことが伺える。

そして男女とも、1位は現金(!)
愛と夢に包まれたクリスマスであっても、現実を生きる人々にとって必要なものは万国共通。文字通り現金な世の中なのである。